近況

ホーム > 近況

2013年

7月

7/29
福岡交通事故弁護団の暑気払いを開きました。弁護士という仕事は独りよがりに陥る危険が常に伴うので,仲間と意見を交わし切磋琢磨する機会はとても重要です。私が交通事故弁護団を結成した理由もそこにありますが,このようなたまさかのまどいの楽しさも動機の一つです。
7/19
日弁連交通事故相談センターの本部研修会が17年ぶりに福岡市(ソラリアホテル)で開かれました。テーマは,人身傷害保険とCRPS(複合性局所疼痛症候群)です。私が司会を務め,全国の弁護士のほか福岡県弁護士会からも120名もの会員が参加しました。期待どおり大変充実した内容でした。多くの弁護士にとってはやや難しかったようですが,交通事故委員会の弁護士たちからは,もう少し掘り下げた解説も聞きたかったという声も聞きました。このような研修は一般会員が対象なので無い物ねだりなのですが,皆で勉強してきた成果でしょう。
7/17
日弁連交通事故相談センター専門第二部会の会議と研究会に参加しました。研究会のテーマは「公的給付制度と損益相殺」でした。実務でもしばしば問題になりますが,理屈だけでは割り切れない問題でもあります。なお,労災保険(年金)については控除(支給停止)期間が延長されており注意が必要です。
7/12
福岡県弁護士会の交通事故委員会を開催しました。小研修では,死亡逸失利益の基礎収入の計算(将来の昇給を考慮できるか)についての報告を受けました。逸失利益の計算においては中間利息控除の不合理性を再認識させられます。とくに若年者においてはその不合理は著しいものがあります。
7/8
福岡県弁護士会で「高次脳機能障害研究会」を開催しました。今回は第3回「高次脳機能障害の神経心理学的検査」です。弁護士がほとんど勉強していない分野ですが,高次脳機能障害事案の処理には,神経心理検査についての基礎的知識も必要です。
7/6
高次脳機能障害のNPO「福岡・翼の会」の理事会に出席しました。

6/27~7/1
北海道でカヌーとキャンプをしてきました。十勝地方を流れる歴船川です。美しい渓谷から爽快な清流が海まで続くすばらしい川。
キャンプは広い無人の河原。周囲の森にはヒグマやエゾシカ(幸か不幸かクマには出会わず),川にはニジマス(釣れず)。飛行機を乗り継ぎ,列車に乗り換え,タクシーを飛ばしてたどり着く楽園です。しかし私も54歳,いつまでこんなことができるのでしょうか。

6月

6/21
福岡県弁護士会の交通事故委員会を開催しました。小研修では,人身傷害保険についての報告を受けました。とくに「人傷一括」の問題(人傷保険金を支払った保険会社による自賠責保険からの回収など)です。代位の範囲等については昨年最高裁判決が出ましたが,何かと問題のある保険です。
6/17
弁護士会と裁判所が民事手続のあり方について話し合う,民事手続協議会のテーマが交通事故事件だったので,被害者側弁護士代表として参加し,後遺障害等級認定とその評価を中心に「交通事故の被害者側弁護士としてすべきこと」について発表と意見交換をしてきました。交通事故訴訟が増えており,裁判所はその処理について強い関心を持っています。弁護士の参加者も大変多く,会場は満席でした。交通事故事件への熱い視線を感じます。裁判官との懇親会もおおいに盛り上がりました。
6/1
高次脳機能障害者を支援するNPO法人,福岡翼の会の総会と交流会に出席しました。あわせて「高次脳機能障害者の財産管理」と題して講演を行いました。このテーマについては昨年熊本でも講演をしましたが,ご家族の関心が高い問題です。総会においては,「中間利息控除と遅延損害金」に関する民法改正試案について,強く反対する旨の意見書が採択されました。
中間利息控除と遅延損害金に関する民法改正について
現在民法(債権法)の改正が進んでいますが,そのなかに交通事故等(その他の犯罪被害や労災事故,医療事故も含む)の被害者にとって見過ごせない「改悪」が含まれています。裁判所は,損害賠償額(逸失利益)を計算するときに「中間利息控除」をして,将来の収入分について現在受け取ることによる利益分(本来受け取るべき時期まで利殖ができるはずだという理屈)を差し引きます。裁判実務の主流は5%を複利で控除するので,たとえば今から25年分であれば総額は単純計算(年収×25)の約56%しかもらえません。反面,「法定利息」が民法に規定されており,不法行為(交通事故など)時から年5%(ただし単利)の「遅延損害金(いわばペナルティ)」がつきます。
ところが現在明らかになっている中間試案では,中間利息控除5%を条文で規定する(これまでは法律上の規定はありませんでした)とともに,法定利率は変動金利とする(当面年3%)としています。まったく落ち度のない犯罪被害者等が生命・身体を害された場合に5%もの高率で中間利息を控除されて賠償額を減らされる(そのような利殖が不可能なことは明らかです)のに対し,加害者側が支払を遅延した場合のペナルティが3%というのは,あまりにバランスを失しています。かりに中間利息控除を5%と法定するのであれば,加害者側の払う遅延損害金は5%以上でなければ不合理です。遅延損害金はすみやかに賠償義務を果たさせるために課せられるものなのですから。
法制審議会では損保からのヒアリングはされましたが,被害者側の意見は聞かれていないようです。当事者や家族の意見を聞かないまま,各種の事故や犯罪の被害者にとってきわめて重大な「改悪」がなされようとしているのです。
現在パブリックコメントの期間中で,私も自分で出すのはもちろん,他の弁護士にも反対の意思表示を呼びかけています。なんとかこのような「改正」を阻止したいと思います。

5月

5/18
日本交通法学会の定期総会(早稲田大学)に参加しました。午前の個別報告は,政府保障事業と危険運転致死傷罪,午後のシンポジウムのテーマは「交通事故と責任能力」でした。午前10時から午後5時までの長丁場でやや疲れましたが,私の経験上責任能力の問題はこれまで大きな争点となることは少なかったので,よい勉強になりました。
5/13
福岡県弁護士会において私が主催している,高次脳機能障害研究会を開催しました。私が「高次脳機能障害概論② 高次脳機能障害の画像所見」と題して解説をし,続いて事例報告を受けました。弁護士といえども,後遺障害認定を左右する画像所見の基礎は押さえておく必要があります。
5/11
高次脳機能障害者を支援するNPO法人,福岡翼の会の理事会に出席しました。
5/10
福岡県弁護士会の交通事故委員会を開催しました。小研修では,最近問題になることが多いCRPS(複合性局所疼痛症候群)事案の報告を受けました。CRPSは医師の診断と後遺障害認定が食い違うことが多く,訴訟でもしばしば診断基準が問題になります。
5/9
(公財)日弁連交通事故相談センター第2部会(東京・新橋)に参加しました。あわせて開催された研究会では,高齢者が被害者となった場合の問題が取り上げられました。

事務所の窓から新緑の舞鶴公園。
ツバメたちも戻ってきました。もうすぐ立夏です。

4月

4/19
福岡県弁護士会の交通事故員会を開催しました。毎月行っている小研修では,素因減額をとりあげました。3月に福岡市の交通事故相談員研修で取り上げた加重障害の問題とも関連しています。裁判所における和解案の提示などでも,素因減額が示されることがあります。裁判官にとっては,「損害の公平な分担」の見地から柔軟な解決を図ることができるという点で魅力的な手法です。しかし時として,やや安易に用いられているのではないかという印象を受けます。「加害者は被害者のあるがままを受け入れなければならない」という考え方を噛みしめてみるべきだと思います。

3月

3月
3/24〜27
今年も沖縄に行ってきました。年に一度は行きたいところです。うりずんと呼ばれる美しい季節に入りました。福岡に帰ると花冷えです。
3/22
日本交通法学会の講演会に参加し,最近の東京地裁交通部事件処理についての裁判官の講演を聞いてきました。東京地裁交通部の事件処理は,交通事故を扱う全国の裁判官の判断に大きな影響力を持っており,つねに押さえておく必要があります。
3/19
福岡市役所で,市の交通事故相談員を対象とした研修を行いました。テーマは加重障害と非接触事故です。たとえば20年前に頸椎捻挫で14級に認定された人が,新たな事故で同様の後遺症を残しても,自賠責では後遺障害認定はされません。非接触事故は私も現在1件担当しており「運転ミスで勝手に転んだだけ」という損保の主張と戦っています。
3/18
交通事故委員会の弁護士に呼びかけて高次脳機能障害研究会を立ち上げました。20名の弁護士が参加しています。この日はその第1回で,高次脳機能障害概論の第1回として,私が「高次脳機能障害の理解に必要な基礎的医学知識」の題で解説を行い,次いでメンバーから事例報告を受けました。
3/16
アクロス福岡で開かれた「NHKハートフォーラム リハビリ最前線 脳損傷からの回復を目指す」に参加しました。弁護士の主な仕事は正当な損害賠償を獲得することですが,リハビリについての理解はそのためにも,また障害を負ってしまった人の再出発のお手伝いができるためにも必要です。
3/15
弁護士会の交通事故委員会を開きました。小研修のテーマは膝関節の後遺障害でした。半月板損傷,前十字靭帯損傷,後十字靭帯損傷など,膝の後遺症は難しい問題があります。
3/4
福岡県弁護士会で,損害保険料率算出機構による研修会を開催し,自賠責の損害調査の実務について学びました。交通事故の研修は参加希望者が多く,弁護士会館のホールでは全員を収容できないため,近くの市民センターを借りました(今回も300名近い弁護士の申込みがありました)。
私はこんな弁護士です。弁護士 小野 裕樹
  • プロフィール
  • 近況はこちら
  • 講演実績
高次脳機能障害
高次脳機能障害
高次脳機能障害

脳の外傷が原因で起こる高次脳機能障害について私が力を入れるようになったきっかけや、どのような症状が現れるのか、障害認定における問題点、裁判の争点などを解説いたします。

取扱い事例
取扱い事例

私が実際に扱った、高次脳機能障害の事例を紹介いたします。事例ごとに被害の状況や事故の状態は異なり解決方法も違いますが、どのような事案があるのか、参考にご覧ください。

福岡・翼の会

福岡・翼の会(http://www.f-tsubasa.org/)は,私が理事長を務める、高次脳機能障がいを抱えた当事者とその家族を支援するNPO法人です。福岡市の天神で,高次脳機能障がい者を対象とした地域活動支援センター「翼」を運営し,家族交流会・相談会・バスハイク等のイベントなど,さまざまな家族会活動をしています。

詳しくはこちら
事故の慰謝料について
事故の慰謝料について

入通院、死亡・後遺症、精神的苦痛に対しては慰謝料の請求ができます。
交通事故の慰謝料について、どのような場合にどのくらいの金額が認められるかを「傷害慰謝料(入通院慰謝料)」「後遺障害慰謝料」「死亡慰謝料」のそれぞれに関して、慰謝料が通常より増額される場合などについて、わかりやすく丁寧にご説明いたします。

費用について
費用について

弁護士費用は、保険会社の示談提示がある場合や訴訟になった場合などで異なってきます。福岡交通事故相談室における弁護士費用に関して、ケースごとに詳細に掲載しております。
※弁護士費用特約がある場合、弁護士費用の負担が無くなるか軽減されます。

交通事故の重要裁判例